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2011-05-28

敷地を知ろう(その1)

こんにちは、設計部の竹森です。我々が建物を計画する時にまず気になるのは敷地です。敷地は法的あるいは物理的に、建物を計画する上でさまざまな制約を受けるからです。今回は「敷地を知ろう」というテーマで「形状」「区画」「性質」といった3大要素について、どのような調査をするかのお話をしたいと思います。今回は「形状」!!

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敷地の形状と言っても、区画整理が完了したまっ平な四角い土地から、道路や隣地又は敷地内での高低差のある土地。果たしてこれを土地と呼んでよいのかと思うほどの斜面や崖の中にある土地等、その条件は様々。 そういった中でまず我々が現場へ行き、形状をはじめ様々な現地の状況を調べる現地調査(業界用語で現調)を行うのですが、敷地の高低差をはかる際には色々と必要な道具があります。

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上の写真にあるものは我々が現地で主に使う現調道具です。左から1.スタッフ(スタッフ~と叫んでしまう・・・) 2.球面脚頭式三脚(オートレベルの脚) 3.オートレベル 4.10mスケール(一般的にはメジャーと呼ばれる) 5.30m巻尺 6.A3バインダー。各々解説したいのですが今回は敷地の高低差を調べる為の道具である1から3までを紹介します。

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よく街中でこんな風景を見かける事はありませんか?これは水準測量といい、敷地の高低差を測る手法です。手前の私が持っているのはスタッフというもので、伸縮する棒に寸法が入っています。いわば大きい定規みたいなもの。奥の彼が覗いているものはオートレベルです。オートレベルを分かりやすく解説すると・・・ 

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とまぁゴ☆ゴ13のライフルスコープみたいなものなのです。多分1度使った人なら共感して頂けると思いますが、実際に覗くと本当にスナイパーになった気分になれます。またオートレベルといっても自動で高低差を測ってくれる訳ではなくスタッフを持つ人、それを覗く人と最低2人での作業になります。原理はこうです。

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上の図のように高さの異なる敷地内ににスタッフを置き、水平な場所からオートレベルを覗くと、その間の高低差が引き算により分かる仕組みなのです。なので1箇所基準となる仮のベンチマーク(業界ではKBMと言う)を設定し、あとは敷地内をウロウロしながら数箇所ポイントをとれば、その敷地はどのような形状をしているかが大体つかめるようになるのです。これは建物をどの高さに合わせて建てるかを決める(GL設定と言う)上でも必ず必要な情報です。一見難しそうで案外簡単な測量方法なのですが、一般の方がここまでやってしまうと我々の立場も無くなってしまうので、ここは是非プロに任せましょう!!

ちなみに・・・

このような大掛かりな道具が無くても、ある程度平坦な土地であれば簡単に敷地の高さを割り出せるテクニックがあります。hosoku

それは敷地に大体よく見かけるコンクリートブロックを基準にする方法です。コンクリートブロックの大きさは規格で定められており、幅が40センチメートル、高さが20センチメートルなのです。例えば上の写真のようなブロック擁壁があり、道路と上の駐車場との高さを知りたければ、20センチメートルのブロックが3段積まれているので60センチメートル、写真を察するに3段ブロックの天端から敷地の地盤まで約10センチメートル落ちていると考えると・・・ 道路から敷地の地盤は50センチメートルの差があると考える事ができるのです。これくらいであれば大まかに敷地の高低差を調べる事が出来ますが、あくまで概算の考え方なので、実際に建物をたてる場合はプロに依頼しましょう。

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