こんにちは。最近スケッチブッカー(スケッチブックを持ち歩く人)を目指している設計部の増田です。
神戸建築ツアーブログも3回目になりました。
前回の丹羽のブログに続きまして、竹中大工道具館の外部で感じたことを分析、紹介します!
プロポーションがとても綺麗です。
おそらく屋根を5寸勾配以上にして、綺麗に屋根面を見せています。
少し浮かせたデッキ部分と水平な軒ラインに挟まれたガラス面。
平屋建築のよく見るスタンダードな構成ですが、細部にこだわりを感じます。
私は樋マニアなので、樋から書きます!
人の出入りのある部分にのみ軒樋があります。
竪樋は鎖樋。
その鎖樋を目で追っていきますと、杉板型枠のコンクリート擁壁の上に落とし、
笠木を切り欠いて、ステンレスの水受けで受けています。
緻密です。
エントランスにある樋の佇まいも凄い。
鉄骨の丸柱と位置を合わせて落とし、床面を大きく切り取って余白を創っています。
鎖樋の受けの部分は・・・
四角い受け鉢!
この砕石部分がエントランスへのアプローチとデッキ部分を分けていて、
機能、デザイン共に見事!
そして軒樋は、溝形鋼。小口面を見せてるところに設計者の主張を感じますね。
同じ鉄骨部材つながりで、スチールの背の低い落下防止柵を観察してみました。
軒の高さを視覚的に低く見せ、プロポーションを引き締めています。
手摺も手摺子も鋼材の刃を正面に向け、シャープな印象にしています。
床の目地も当たり前に揃っています。
下から手摺と手摺子の溶接部分を覗き込んでみました。
見えにくいところに、手間のかかる仕事がされていて、設計者のこだわりを感じます。
気づきにくい細かなこだわりを発見するのも建築見学ツアーの醍醐味ですね。