前回までの竹中大工道具館に続きまして、
今回は武庫川女子大学 甲子園会館(旧甲子園ホテル)のご紹介をさせていただきます。
見事な晴天に恵まれた中、私達を迎えてくれた甲子園会館
圧倒的な建物に周囲を囲む庭園、一瞬で心が奪われました。
甲子園会館は、戦前に甲子園ホテルとして建てられた建物で、その後、戦時中の海軍病院、
戦後は米軍将校宿舎、その後は大蔵省と管理・所有者を転々とし、1965年に武庫川学院が取得
さらに1991年には、内装工事・外壁修復・造園工事が行われ現在の姿となった。
設計者は建築家フランク・ロイド・ライトの愛弟子である遠藤新、
均整のとれた左右対称の姿、その形は大きな鳥が翼を広げたようである。
とにかくどこを見ても、現代の建築では考えられないほど手間ひまをかけている。
その贅沢なポイントをいくつか紹介させていただきます。
レリーフテラコッタのディテール 打出の小槌を四分割したデザイン
このテラコッタのタイルが外壁の要所にあり、より直線的な建物を演出してます。
焼き物独特の焼きムラが色にバラツキを出し植栽の緑との対比の中でタイルの存在感がでてます。
ひさしのように張り出した部分は水玉の彫刻をめぐらせた雨樋となっている。
一階ロビー南側の庇を支える波模様の列柱。
モザイク床タイル。
正方形や長方形のタイルの中に五角形や台形のタイルが混ざり、大きさや色はさまざまです。職人による自由に張った感じが良いです。
今回で10回を迎えた建築ツアー、毎回毎回新しい出会いと発見があります。
これからも新たな出会いと発見をし、自分の知識や感性を磨いていきたいです。