こんにちは。設計部 渡邊です。
今日は、猛暑日!暑かったですね。
みなさま体調はいかがでしょうか。
旅シリーズ 島編 最終回
今回は『犬島』『豊島』。瀬戸内海に位置する島
まずは、『犬島』!
大正時代に銅の精錬場として犬島精練所が建設され栄えました。
現在は、精錬所の遺構として、朽ち果てたレンガ積みの煙突が数本残り、島のシンボルとなっています。
精錬所のゲート。
現在は、精錬所は閉鎖され、遺構は建築家の三分一 氏によって『犬島精練所美術館』
として保存・再生され生まれ変わりました。
内部は撮影できず、お伝えできないのが残念ですが、三島由紀夫をモチーフにした
アート空間が展開されています。
最大の特徴は精錬所に残された煙突等を利用して空調されていること。
太陽熱や地熱によって適温に変化した空気を、煙突で対流させ館内の温度調節をしています。
館内の一部で体感できる空間があり、自然エネルギーを直に感じることが出来ます。
また敷地内には、朽ち果てた人工物と、自然の樹木やツタが相まってより興味深く
人工的には作れない、面白い風景となっていました。
そのほかにも、休憩施設や展示施設(妹島 氏 設計)が点在しています。
ぐるぐると散策途中には…
その場だけ、最盛期の時代が垣間見れる風景が…。
全てが、綺麗、新しく。ではない逆に新しい体験が出来る島でした。
続いて、『豊島』!
島の最南端には西日本最古の貝塚があり、約9千年前には既に人が住んでいたという島。
過去には、日本でも大きくクローズアップされた産業廃棄物不法投棄事件があったが、
本来の島は、過疎化が進んでいるものの、緑豊かで酪農や漁業なども盛んだった。
その自然の中に、設計されたのが『豊島美術館』
瀬戸内海を望むことができる小高い丘に、アーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛のコラボ。
休耕田となっていた棚田を地元住民とともに再生させ、その広大な敷地の一角に、水滴のような形をした建物が据えられています。
これもまた、内部を紹介できないのが残念。
床から水滴が生まれ、傾斜がつけらてた床を水滴が滑っていく。
集まってくる水滴が大きな塊となり小さな泉となる。
言ってしまえば、それだけの美術館。
言葉では伝えられないゆっくりで豊かな時間が流れています。
そんな空間に座り、天井の一部が切り取られたところから雲を眺めるもよし。
個人的には、こういった自然と呼応する有機的な空間が好きだったりもします。
またまた、レンタルサイクルで島中を走り回る。
岬の先端には…
『心臓音のアーカイブ』(クリスチャン・ボルタンスキー)
世界中の人々の心臓音を恒久的に保存し、それらの心臓音を聴くことができる小さな美術館があります。
海を眺めながら聴く…。※実際、自分の心臓の音も録音できる施設もある。
自分の心臓音を聴く機会もあまりありませんが、
人によって鼓動が早かったり、強弱が有ったりと千差万別で意外とリズミカル。
録音した人々のコメントも書き残され、それを読むだけでもいろんなストーリーがあるんだなとしみじみ…。
今回で、一旦、旅シリーズ島編は最終回!
2016年にまた、瀬戸内国際芸術祭が開催されるようです。
本当にお勧めですよ!!