アイン ホエー ホン?(お元気ですか?)
井上です。
ホイアン編第3弾、ベトナム最終日。
本日はまず午前中にキムボンという村に船で渡ります。
ホテルで頼んだガイドさんとロビーで待ち合せして出発。
ホテルから船着き場までは徒歩で約10分程度。
道中、屋台で朝食をとっている大勢の人々に遭遇しました。
中には観光客もいましたが、ほとんどが地元の人々でベトナムは朝食を外でとることがほとんどだそうです。
(ここでいう外とは外食の事です。実際に屋外で食べているのでややこしいですが・・)
また子供たちも、
登校前に小学校前の屋台で朝食。制服を着た子供たちが慌ただしそうに朝食を食べていました。なかなか日本では見られない光景。
やがて船着き場に到着!
・・・対岸から通勤、通学と思われる人々&バイクを載せた船。
積載荷重が心配になるほどの満員御礼状態!
日本で言えば朝の通勤電車と同じ感覚かな?
我々も船に乗り込み、いざ出航!
ガイドさん(兼船長さん)の操縦でまずはグルッと川沿いを回り、ホイアンの街並みを眺めつつ目的地へと向かいます。
川から見るホイアン市場。
比較的新しそうなエリア。長期滞在客のためのリゾートホテルと思われる建物が連なります。
そうこうしていると・・・目的のキムボン村が見えてきました。
無事上陸!
このキムボン村は木彫りの家具工場や造船場などが見学できる観光スポットとしても人気がある場所。
まずは家具工場を見学。
ガイドさんに通訳してもらい、家具の材質を聞いたところ日本では高級家具の材料として知られている「マホガニー」が主流とのこと。
続いて訪れた木工所では柱や梁に彫刻を施していました。
熱心に作業する人の奥では食事する人がいたり・・・
若者たちが黙々と作業をしていました。
この柱と梁は店舗で使用されるとの事。日本で同じ事をやったらどれくらいのコストがかかるのかなと思いつつ、
見事な手仕事に感心する一同。
今度は螺鈿(らでん)加工の作業所。
因みに螺鈿(らでん)とは、漆器や帯などの伝統工芸に用いられる装飾技法のひとつ。
貝殻の内側、虹色光沢を持った真珠層の部分を切り出した板状の素材を彫刻の表面にはめ込む手法。「螺」は貝、「細」はちりばめる事を意味するそうです。
螺鈿の材料をまじまじと眺める設計部長。
細かい手作業と技術に驚嘆の連続。
最後に見学したのは造船場。初めて見る船造りの工程に全員興味津々。
船底部の組み立て。
木ダボで部材間をしっかりと固定。
手慣れた感じで組み立てて行く造船職人の熟練した技術に感服する一同。
この村で見た職人技の数々。
分野こそ違いますが我々東海・ビルドが目指す“手仕事を感じる建築美”、大量生産の規格品にはない“ぬくもりを感じる建物造り”と通ずる部分があり、とても貴重な体験となりました。
キムボン村を後にし、ホテルへ戻ってチェックアウトの準備。
空いた時間で描いたベトナム3回目のスケッチタイム。
タイトルは「ホテルの部屋から見える橋本君が入りたがっていたプール」
ホテルを出発して午後からベトナム最後の訪問地、世界遺産「ミーソン遺跡」へと向かいます。
ホテルからタクシーで約2時間かけて到着。
大自然のど真ん中にその遺跡はありました。
四方を山に囲まれた中にひっそりと、そして厳かな雰囲気を漂わせて・・・
圧倒的な存在感にしばし言葉を失う一同・・・
この「ミーソン遺跡」は4~13世紀に建設されたチャンパ王国の聖地跡。
4世紀の建設当初は木造で建てられ7世紀ごろにレンガを使った建築となったそうです。
まだまだ発掘途中でチャンパ王国の全容も解明されていないそうですが、ベトナム中央の海沿いを中心に繁栄を極めた王国で、中国やインド、オランダなどのヨーロッパまで交易を広げ、高い建築技術を取り入れたと考えられているそうです。
接着剤を使わず、レンガをすり合わせただけで建築されています。
・・・思わずテンションが上がる設計部長・・・
ヒンドゥ教シヴァ派であるチャンパ王国。シヴァ神を祀る聖域にはヒンドゥ教以外の仏教や土着の民族宗教を融合させた痕跡と思われるレリーフや石像が数多くありました。
修復中の遺跡や発掘途中のものなどA~Hまでのグループに分かれていました。
これ以外にも広大な自然の中にはまだまだ発見されていない遺跡が眠っているそうです。
壮大なスケール感と神々しいまでの遺跡群。
長い年月を経ても失われない存在感や迫力に“建築”という魅力を再発見したミーソン遺跡。
また人間が創り出した“建築”と“自然”との一体感は凄まじいの一言に尽きる・・・
最後にとてつもない“建築”と出会い幕を閉じたベトナム。
今回の研修で訪れた歴史ある建物の数々や古民家を改修した店舗のテイストは勿論、モノづくりの原点“手仕事”の素晴らしさや建築の持つ魅力を今後の東海・ビルドに活かしていきたいと思いつつ、ベトナム研修ブログを終わりたいと思います。
では最後にミーソン遺跡での感動を胸に書いたスケッチを、
カム オン! ベトナム(ありがとう!ベトナム)