こんばんは
設計部の佐野です。
気が付けば11月に入り、今年も残すところあとわずかですね。
終わりよければ全て良し!なんて言葉もありますが、
今年1年、良い締めくくりが出来るよう、残り2か月気を引き締めていきたいと思います。
それでは本題。
第11回建築ツアーブログNo2として、昼食後に訪れた、豊郷小学校を紹介します。
豊郷小学校は、昭和12年に本校出身の古川鉄次郎氏が私財を投げうち、設計をヴォーリズ建築事務所、施工を竹中工務店が担当して建てられた小学校で、当時では珍しい鉄筋コンクリート造、敷地内にはプール、講堂、図書館、水洗便所に暖房設備など最先端の設備を完備しており、当時は【東洋一の小学校】とも称された学校です。
そんな貴重な校舎をバックに、まずは恒例の集合写真を一枚!
写真からも分かるように、今年も多くのお客様に参加して頂くことができました。
本当にありがとうございます!
集合写真の後は、いよいよ見学!
なんと今回は、ガイドさんがつき説明をして頂きながら、建物を見学させて頂ことができました。
(写真:オレンジの服を着た方がガイドさんです)
講堂での説明を聞き、いざ見学が始まると目の前にものすごく長い廊下が見えてきました。
ガイドさんの話を聞くと、この廊下は豊郷小学校の特徴の一つであり、
なんと1階は全長100m、2階は88mもあるそうです。
また、教室の扉は全て外開きのドアのため、廊下幅も2.7mと大きく計画されており、
床には扉の可動範囲を示す印が設けられております。
続いて足を運んでいくと、階段の手すりにウサギとカメを発見!
これはなんだ??と思っていると、待っていましたと言わんばかりに、ガイドさんの説明が。そう!この階段に設けられたウサギとカメは、イソップ童話のウサギとカメの話を元に作られており、どうやら、寄贈者の古川氏の幼少時代の話をヴォーリズ氏が聞き、そこからイメージを膨らませて、このウサギとカメを階段に設置したそうです。しっかりと作り込まれており、下階から上階に階段を上っていくとストーリーを感じられるようになっています。
こちらはウサギが途中で昼寝をしているシーンですね。
続いて足を運んでいくと、目に入ったのは教室から廊下に向けて設けられた窓。
良く見て下さい、一番上だけ開く方向が逆になっているのが分かりますでしょうか?
これは、換気に配慮して空気が循環するようにするとともに、廊下を通行する児童の安全に配慮して、一番上は廊下側に、その他は教室側に開くように計画されています。
この他にも、教室をはじめ、理科室、音楽室など、校舎内を一通り見学させて頂くことができ、参加者の皆様とヴォーリズ建築を肌で感じることができました。大変良いものを見させて頂くことができ私も参加者の皆様も大変満足しておりました。住む人、使う人の思いを第一に考えるヴォーリズ氏の建築を感じることで、改めて、設計者として大事にしなくてはならないものは何か、どの建物においても変わらない信念を持ち続けることの大切さを感じさせられました。