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2015-11-25

曳家【プロフェッショナル仕事の流儀】

みなさん、曳家〔ひきや〕をご存知ですか?
恥ずかしながら私は、弊社の高山プロジェクトを通じて曳家という言葉・工法を知りました。

簡単に説明しますと、曳家〔ひきや〕というのは、建物をあるがままの形で別の場所へ移動させる、500年以上前から続く伝統技術です。なかなか建物を移動することは無いので、ピンとこないと思いますが、土地区画整理や道路拡張などで移動せざるを得ない場合や、重要文化財などの城の石垣の補修が必要な場合などに、この曳家が行われます。

建物を移動させる、口で言うのは簡単ですが実際にやるには、知識と経験、技術力が要求される非常に難しい工事です。

現在は、ジャッキを用いて圧力をかけながら建物を持ち上げて、鉄骨のレールに這わせて移動させていきますが、古くは、テコを使って人力で行われていたというから驚きですよね。

そんな曳家を先日【プロフェッショナル仕事の流儀】という番組で取り上げられていましたので紹介します。

今回の主人公は山形県の曳家職人。40歳という若さで、青森県にある国の重要文化財である総重量400トンの弘前城天守の曳家を行うというストーリー。
曳家を行う理由は、冒頭に述べたように、この天守の真下にある石垣の改修を行うためで、世間では100年に一度の大工事と言われ、大きな注目を集めています。
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↑このような広告がホームページ等にありました。

設計図が無く、構造を把握できない状況の中、国の重要文化財であり、且つ、多くの人々の思いが詰まった天守を、壊さずに70m先の仮設の土台に移動させなくてはならないという緊張感漂う現場で、建物をバランスよく浮かすためにどのように鋼材を取り付け、どのように圧力をかけたらいいのか、自身が置かれた状況に真剣に向き合い、知恵をだし、試行錯誤を繰り返し作業する姿はとても印象的でした!

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↑曳家の様子です。スケールの大きさがわかるかと思います。
ちなみに元の場所に戻るのは6年後だそうです。

今回に限らず、この番組を見る度に職人の技術力、仕事に対する姿勢、思いというのをつくづく感じさせられます。

それでは最後に、心に残った曳家職人の言葉を紹介。
【ただ建物を動かすのでなく、そこに込められた人々の思いや記憶も運びたいと考えている】

以上、最近つかまり立ちを覚え歩き回る息子に悪戦苦闘している、設計部の佐野でした。

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