「え~どうして?」・・・でも・・・面白い!!
こちらは高山市にある、国の重要文化財『吉島家住宅』の雨戸を収納する戸袋と呼ばれるもの。
家の中に雨戸を引き込んでいる。それも堂々と・・・。
こういった『遊び』というか『仕掛け』のようなもの、思わずニヤッとしてしまいます。
明治40年川原町の名工、西田伊三郎さんによって建てられた、昔の造り酒屋の面影を伝える華麗な商家です。中へ入ると広々とした土間があり、上部にはハイサイドライト。この光が梁組と束組の表情を変えてゆきます。
近くには『日下部民藝館』。こちらも国の重要文化財です。太い柱や梁が見事に組まれています。構造の【構】の字はここから生まれたんだ!なるほど!と説得力抜群な、しつこいようですが、本当に見事なまでの梁組です。しばし、うっとりしてしまいました。
日下部民藝館が豪快で男性的な建物と評されているのに対し、この吉島家は建物の隅々まで神経のゆき届いた、繊細さと女性的な美しさのある建物と言われています。(写真はどちらの梁組、束組か想像してみてください)
一緒に建物を見た皆、共に吉島家の方が好みのようでしたが、繊細な女性的な美しさに心を奪われるのは男性だからでしょうか?
昭和52年、アメリカ建築界の巨匠チャールズ・ムーアが「自分が見た中では最高の日本建築である」と激賞したそうです。(ちなみに、この方も男性・・・)
土間上のハイサイドライトはひもを引っ張ると、このでっかい障子が動くという結構大胆な仕掛けで男性的だったような気がしますが・・・。
ありきたりですが、日本人に生まれて良かった~と思える、とても素敵な時間を過ごせました。ありがとうございました。
こだわり抜いた東海・ビルドの高山プロジェクトがとても楽しみです。
冬の高山も良いですね。工事部 安江が書きました。