「ちょうちんは、ちょうちんじゃないと~ね~!」
「ちょうちんは、ちょうちんじゃないと~ね~!」
「ちょうちんは、ちょうちんじゃないと~ね~!」・・・・
・・・大将の言葉を頭に叩き込み、再度プラン変更のため
現在使用しているちょうちんを観察・・・
「やっぱり赤ちょうちんが無いと居酒屋っぽくないよね~!」
大将こだわりの赤ちょうちんをプランに盛り込み、再度外観イメージを提案。
(因みに居酒屋になぜ「赤ちょうちん」なのかと言うと、
江戸時代、居酒屋が一般的に広がった当初は白いちょうちんが一般的だったそうですが、ある一軒の居酒屋が赤いちょうちんを
軒先に出した所、たちまち大人気店となり、これが広がっていったそうです。)
赤ちょうちん風照明をやめ、現在使用しているちょうちんを入口横に配置。
正面のサインはシンプルに文字と擬竹で構成するデザイン。
・・しばしパースとにらめっこする大将・・・
突然立ち上がり、お店の奥へと走り、何かを持って登場・・・
・・マッチ・・・ですよね?
「サインがシンプルすぎるから、このマッチのデザインを取り入れようか~」
「お店に入りやすくするために多少、くずした部分や泥臭い所も無いとね!」
妙に説得力のある大将の一言で再度サイン計画を練り直し、
「いや~めちゃくちゃ良くなったね~」
大将の真っ直ぐな言葉が素直に嬉しい・・
なんて感傷的になりそうな次の瞬間、
お店の外に連れて行かれ、
「あのお相撲さんの看板もせっかくだから再利用出来ないかな~」
・・え?
・・あの・・紫色の・・を・・再利用・・・
一瞬固まった設計部の井上です。
「そ、そうですね・・」
「どこに使えるかな?」
お店の周りをぐるぐる歩きまわり、打合せに同行していた
営業担当、草川に目で
(なんとか諦める様に説得してよ~)
と訴えたが、当の本人
「いいですね~!是非使いましょうよ!!」
と爽やかに言い放ち、逆に私に目で
(井上さん!考えて下さい!!)
と訴えてきた・・・
「そうですね~」
・・と頭をフル回転させながら、
側面にサインを付けていなかった事を思い出し、
後日作った外観パースがこちら。
「ばっちしだね~」「いいよ~」
決して諦めない強い心を営業担当、草川から学びました。