大将こだわりの外観が決定するのと並行して平面プランの打合せも
何度も行い、
当初はこんな感じのプランで進んでいました。
大将からは、
「とにかくカウンターをド~ン!と長くとりたいよね~!」
という事と、
「水槽を道路から見える様に置きたいよね~!!」
との2つの要望がありました。
色々と配置計画をする中で、大将のお母様から、
「カウンター席も重要だけど、宴会をする時にある程度の人数がまとまれる席も必要では?」
とのご意見。
大将も、
「そうだよね~。宴会は重要だよね~!」
そして出来た最終プランが、
道路側に4人席を3つ配置し、宴会時はテーブルをくっつけて
最大14人まで座れる空間を確保。
「それ以上の人数で宴会をするなら貸切で良いよね~!」
「ばっちりだね~!」
平面計画、外観と決定していき、最後は内装の打合せ。
「内装はシンプルで!お任せしますよ~!」
と大将から言われた設計部の井上です。
という事で提案した内装がこちら!
エントランスをくぐり抜けると、左手に水槽を配置し魚たちがお出迎え。
正面のルーバーはアクセントと客席の目隠しを兼用。
ルーバーから曲がると、こんどはカウンター席が待っています。
大将こだわりのカウンターの中央にはネタケース。お客さんが見やすい場所に配置。
厨房側から見たカウンター。厨房に立った時に大将とお客さんの目線が合うように厨房側は20cm床が下がっています。
大将曰く、
「料理が美味しいのは当たり前で、お客さんとのおしゃべりも重要だからね~!」
同感です。
大将のお母様から大将との会話を楽しみに来る常連さんも多いよ、
と聞いて納得。
我々も大将とお母様との打合せは毎回とても明るい雰囲気で、和やかな楽しい時間でした。
飲食店には大きく2通りあり、チェーン展開するようなお店は徹底した管理のもと、
オートメーション化された厨房で、どこの店舗で食べても同じ味を提供しています。
全国展開する規模になるとコマーシャルをバンバンやり、徹底したイメージ戦略によりお客さんを獲得。
もう一方は、個人経営規模で地元の常連さんに支えられながら経営していくタイプ。
どちらが良いかは別としても、大将の人柄と料理に惚れ込んでお店に来る常連さんの「笑顔」が目に浮かびました。
道路側の4人席。衝立をどかし、テーブルをくっつければ
宴会バージョンへと早変わり。
一通り内観のイメージと説明すると、大将から一言、
「いいね~!ばっちしだよ~!!」
打合せはいつも即断、即決の大将。
良い、悪いがハッキリしていて、明るく元気が良い大将。
・・という事で内装については、スムーズに決まり、いよいよ着工へと動きだしました。
お清めをするお父様、お母様の感慨深げな表情に、我々も神妙な面持ちでお祓いを行いました。
・・・が、別れがあれば出会いがある。
大将の代となり、大将の力で、大将の思いがいっぱい詰まった新しいお店に生まれ変わる喜びの方が、その寂しさよりはるかに強かった事は言うまでもありません・・
お祓いも滞りなく終わり、いよいよ着工。
現場が始まれば、ここからは主役交代。
監督の奥村を中心に、各職人さん達の協力の元、手際よく工事が進んで行きました。
内装のどこかで使おうと解体時にとっておいた梁。
監督の奥村と大工さんで色々と話しあい、良さそうな場所を発見!
大将にも確認して頂き、一同納得の場所に昔の「面影」をさりげなく演出。
こうして色々な「思い」が詰まった新しい
一品料理・ちゃんこ鍋・うなぎ「井筒」がいよいよ完成します。
・・・次回は感動の最終章!こうご期待。