見ようと思っていてなかなか見れなかった
高松伸 設計のオフィスビル。
ビルと言って良いのかどうか
アーステクチャー サブ・ワン
用途 : テナントビル
設計 : 高松伸建築設計事務所
施工 : 鴻池組
所在地 : 東京都渋谷区上原2丁目30番4号
建築面積 : 60平方メートル
延床面積 : 455平方メートル
敷地面積 : 172平方メートル
構造 : RC造
階数 : 地上1階, 地下4階
竣工 : 1991年2月
そう。
地上1階, 地下4階・・・
地上部分が
この様相。
もう、建築の範疇ではなくなってる。
御影石の曲面が立ち上がる。
この手すりの向こうから降りていくのですが
休日で鍵がかかっていて入れない。
(当然か・・・)
地下4階分がオフィス。
こういった発想をする建築家はいても
これを受け入れる施主は
なかなかいない。
しばし見とれて、歩き出す。
この辺りは駅の南側。
もう、地図を見る気にもなれないほどの猛暑。
でも、
森も歩けば建築に当たる。
教会ですが、
綺麗に打ち上げたコンクリート打ち放しと
コンクリート小叩きの壁が
上品に収納まってる。
そしてヴィラ クウクウに続いて、
この日、2度目の遭遇。
最近のこのブログで北海道の紹介がありましたが
「石彩の教会」の設計者 伊丹潤が設計事務所を構えていた建築。
この建築の良さは私の写真では到底伝わらない。
ルーバーが並んでいるだけなのに
何か、惹きつけられる。
ため息をつきながら代々木上原駅に向かうと
2度あることは3度ある。
3度目の予期せぬ遭遇。
篠原一男設計の「上原通りの住宅」
1976年竣工なのでこれを見た2016年で40年前。
この建物は三つの構造システムが絡み合ってできている。
①キャンティレバーのヴォリュームを支えるための直交する方杖を
持った2層分のRCのラーメン構造システム。
②2階の木造スラブ。
③屋上の折版ヴォールトのS造。
これらが三つがぶつかり合いながら一つの住宅が現れ、
それを篠原一男は「野生」という言葉で表している。
1976年の当時、その野生という言葉は
レクロード・レヴィ=ストロースの
「野生の思考」から引き出されたものであった。
なんにせよ、私が建築学科の学生であった頃にはすでに建築されていた。
日本の建築界で知らぬものはない有名住宅。
こんなとこにあった・・・
コンクリートの劣化は否めないが
その存在感は
他に類を見ない。
調べてみると
内部はこんな状況みたいです。
こうして、この日の数時間は過ぎたのでした。
次回はこういったものを見て
実際の設計にどう影響しているのか
といった例を紹介します。