こんにちは。愛媛、高知建築研修リレーブログ2番手の設計部の増田です。実は今回の研修先は、長年行こうと思っていたところでした。社員研修先の発表があった時、おそらく私が一番喜んでいたことでしょう。震えました。西野カナではないです(笑)
さっ!前回のブログの続きを書いていきます。伊東豊雄氏の設計の「岩田健 母と子のミュージアム」を後にし、到着した先はTIMAです。
そうです。TIMAです。
TIMAとは、Toyo Ito Museum of Architecture IMABARI です。
要するに今治にある伊東豊雄建築ミュージアムです。
このミュージアムは展示を中心としたパビリオンの「スティールハット」と、1984年に建築学会賞を受賞した伊東豊雄氏の旧自邸を再生した「シルバーハット」の2棟で構成されます。今回はTIMAのロゴモチーフにもなっているスティールハットについて紹介します。
遠景。
近景。
この建物を見て、何故か学生時代を思い出す。
「ふむふむ。なるほど。これはパキパキ系の建物だな。」
外観や空間の面白みや奇抜さだけを追いかけた学生時代の自分。それから15年以上が経ち、それなりに勉強をし、それなりに経験を積み、それなりに建築のことを分かってくると、このような建物を発想出来なくなる。それは構造や雨仕舞の常識にとらわれていくから。
幾何学の多面体で構成された外観が、とてもシンボリックで背景の景色にも映えていて誰が見ても美しい。
その理由はパッと見た時の線の少なさが大きい。
この異次元の線の少なさ。
外壁のパキッと折れているところをよく見てみると・・・
ビックリするほど綺麗。
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どうしても気になって、屋根?屋上テラス?を覗いてみると・・・
なんだこれ!!?
想像通り、防水の立ち上がりもなければ、水勾配があるのかもわからない。
ただ鉄板が外壁のパキパキ折れた鉄板にサラッと載っているだけにしか見えない。
この外壁と屋根の極端なシンプルライン。凄すぎる。
内部は、外観の形態がそのまま内観になった感じ。
皆で話題になったのはこの階段。
これも鉄板をパキパキ追った階段で、階段裏の力桁の丸鋼2本が構造的な肝なのだろうと話が盛り上がる。
そして外の展示スペースで見つけたのがコレ。
これを見つけてまた震えた。(西野カナではない)
サーペンタイン・ギャラリー・パビリオンの構造モックアップ。
これは2002年に伊東豊雄氏が手がけたもので、当時学生だった私はかなりの衝撃を受けました。
この構造も凄まじい。一見ランダムなラインだけで構成されていますが、正方形を拡大・回転させることによって導かれるアルゴリズムで屋根を構成するラインがつくられ、そのラインを延長して壁が構成されています。
そうして出来上がった多角形の中にガラスやアルミパネルが市松状にはめ込まれた建築。
どうやって構造が成り立っているかが分からないものほど魅力を感じるものですね。
建築研修ブログ、まだまだ続きます。