初めまして、新しく東海・ビルド(設計部)に入社した 渡邉 です。
入社して4ヶ月目にて、ブログデビューとなりました。
今後ともよろしくお願い致します。
早速ですが、設計部 「ハイタウン北方」 のリレーブログ開始です。
自分が担当するのは、妹島和世棟(S-4)です。
まずは、ハイタウン北方のS-4棟を設計された妹島さんの紹介です。
代表作は、「金沢21世紀美術館」、愛知県では「豊田市生涯学習センター逢妻交流館」を設計されている方です。
建築の特徴としては、「透明性」「軽さ」等のキーワードが当てはまるのかと思います。
それでは、S-4棟の紹介です。
S-4棟は、構造がRC造、規模は地上10階建ての総個数107戸の集合住宅です。
まずはS-4棟の配置です。
配置からもスッキリとした印象を受けます。
次に外観です。他の棟とは違い非常にシンプル。外観からも妹島さんの特徴が垣間見えます。
住戸はその約3割がメゾネットで、約半数が吹抜けがあります。各住戸がランダムに積層されて、棟全体として多様な立面をつくり出しています。シンプルな中にも変化をつけ、ランダムに空いた穴が高層棟にありがちな遮蔽感を弱めています。
ランダムな穴の説明は後程。
間取りは、各室が2.8mの等間隔に区切られ主従関係はなく南側の採光面に対して並列され、縁側のようなスペースが居室と採光面の間につくられ各居室をつないでいます。
南面が、縁側になっているため各室の引戸をすべて開けると採光十分で気持ちが良い。
ただし閉めると、真っ暗・・・。角部屋はいいが、間の部屋はつらい・・・
外観で少しだけ触れた穴ぼこ。じつは各住戸のテラスなのです。
高層住宅で地面から離れた生活であっても、屋外の生活を毎日の生活の中に取り入れるために、各住戸のもつ庭として考えられています。
ベンチ兼テーブルや洗濯機置場があり広々としています。他の集合住宅ではなかなか無いつくりです。
テラスの使われ方は様々で、植栽等を置いて外のリビングとして上手く使用している例もあれば、ただの物置化していたりと、設計意図と実際の現実生活での使われ方のギャップは難しいなと改めて感じました。
全体的には、南面外観に各住戸の生活観が映し出され、テラスの使い方においても多様な生活が表面化する。この辺りの個性、多様性が表面化することがこの棟における「ジェンダー」の解釈ではないかなと思いました。
この棟は、シンプルで自分としては好みの部類。間取り等ほかの集合住宅には見られないところが随所にあり、正直よく公団でここまでやったなという感じで感心しました。
その反面、提案(理想)と現実とのバランスも大事だなと思いました。