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2020-07-29

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【不便益】

『ちょっと見てー。好きそうなの、やっているよー』声を掛けられ、テレビを覗き込むと・・・画面いっぱいに【不便益】という文字が。聞いたことがない・・・。でも確かに好きであろう響きだ。分かってるね~。世の中便利を求めすぎていて、居心地が悪い。全てが便利でなくてもいい。

不便だからこそ得られる【益】もあるというのが【不便益】です。H20200226_fubeneki_06_v2

写真は、京都大学の『素数物差し』(京都大学の名物として、すっかり定着しているようです。)この物差し、その名の通り素数(1と自分自身以外に正の約数を持たない自然数)の目盛りしかない。2、3、5、7、11、13、17。

15cmを測るには17cmから2cmを引いて・・・。つまり、不便。これを面白いと思う人だけにきっと【益】がある。

便利さを追求するこのご時世から遠い存在かも知れませんが、例えば鉛筆削りではなく、カッターで削ったほうが、自分のその時の気分にあった削りが出来る。そしていろんな削り方が出来る。あっ、もしかして東海・ビルド?

便利なオートマチック車ではなく、ミッション車に乗る。自分のその時の気分にあったドライブが出来る。車に乗った感が大きい。渋滞は面倒だけど、車を運転するってこういうこと。あっ、もしかして東海・ビルド??

デジカメでパシャパシャ枚数を気にせず写真を撮る。ネガフィルム(今の若い人達は知らないかも・・・)だと限りの枚数に違いがありすぎるから、一枚一枚を真剣に撮らないといけない。あっ、もしかして・・・。ちょっと重ね過ぎましたね。

この不便であるからこそ生まれる【益】は、喜び(幸福)に直結すると思います。・・・やっぱり東海・ビルド。規格から外れるオーダーメイドは、燃費は悪いけど、きっとそこには満足感、喜びが生まれるはずです。

随分前に見たテレビの記憶で曖昧ですが、人間は生まれた時びっしり繋がっているシナプスという脳の情報を伝達する存在があり、大人になっていくと必要ないとして、どんどん切れていってしまいます。例えば地下鉄、利便だけを考えると、A地点からB地点に移動するのに最短ルートもしくは、乗り継ぎの利便が良いルートを選択するシナプスのみが残ります。このシナプスが3歳の状態であったというアインシュタイン。A地点からB地点までの方法を大人になってからも沢山持っていた。アイディアが一杯で、考え方が柔軟です。これが天才と呼ばれる所以でしょうか。そしてこの動きが出来る人ほど幸福感が大きいそうです。これも【不便益】

東海・ビルドに入社して間もないころ、ある設計事務所様のご自宅を見学させて頂いたことがありました。自然に優しく、自分に厳しい家です。と紹介されました。何でもかんでも人に優しく、バリアフリー。これは人を逆に弱らせてしまう。自分に厳しい家だからこそ、日々鍛錬で、自分を鍛えることが出来る。これも【不便益】

「不便益というのは“楽しい”とか“うれしい”という根源的な主観だと思うのです」と京都大学の川上教授はおっしゃっていました。このコロナ禍、心の余白、余韻を大切に生活していきたいと思います。

本当に偶然ですが、今朝、新聞を見てびっくり。今夜、NHK『又吉直樹のヘウレーカ』という番組で、この【不便益】をテーマに放送されます。興味のある方是非ご覧ください。安江が書きました。

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