現在北名古屋市で施工中の木造物件での当社では少し珍しい基礎補強工事に関してご紹介いたします。
今回の物件ではスクリューフリクションパイル(SFP)工法を採用しました。SFP工法とは、下記の図のように重機を用いて筒状に掘削を行い、掘削した穴にケーシングを回転して らせん状の節を形成しながらセメントミルクを流し込み、杭状の補強体を形成します。
簡単に言うと細長いセメントの杭を支持地盤まで形成します。
木造建築では地盤補強工事として多くは柱状改良工法にて工事を行います。
柱状改良工法とSFP工法の違いは、柱状改良工法は地中の土とセメントミルクを撹拌・混合して柱上の補強体を構成するのに対して、SFP工法は土と混合せず、セメントミルクのみで補強体を構成します。
柱状改良工法の場合は現地の土質によって施工できない場合がありますが、SFP工法は土質に左右されないため、均一な品質を確保することができます。
また施工完了時に残土があまり出ない 小型の重機で施工可能等のメリットもあります
下の写真が施工状況です。今回は建設場所が田んぼだったという事もあり既存の土質に影響を受けないこの工法の選択になりました。
写真手前の青い重機で掘削・セメントミルク注入を行います。
茶色い袋にセメントが入っており、右側の設備(ミキシングプラント)でセメントミルクを現場にて生成します。
こちらが重機の先端に取り付ける掘削刃で1箇所につき1枚使用します。掘削完了時に支持杭先端に残る形となります。
基礎補強工事や基礎は建物が完成すると確認できない箇所になりますので、現場ごとに適切な工法で確実な施工が必要です。
今後も新しい工法や変わった工法があれば社内でも共有し、皆様にもご紹介していきたいと思います。
工事部 柘植