こんばんは。設計部の井上です。引き続き建築ツアー報告第2弾を行いたいと
思います。
私のイチオシは最初に訪れた「神長官守矢史料館(じんちょうかんもりやしりょうかん)」
と2つの茶室です。(イチオシですが3つ紹介します)
設計は藤森照信氏。本職は建築史家ですが、今では日本を代表する建築家で私も
大好きな建築家の一人です。その藤森氏の記念すべきデビュー作がこの史料館です。
自然素材を使ったデザインが特徴的で、外壁はサワラ板手割張りと藁入りモルタル黒土
吹付仕上げ。
屋根は地元産の鉄平石と天然スレート葺き。内部も藁入り着色モルタル仕上げ等々
見えるところは全て自然素材満載!!
この自然素材で『覆う』(おおう)ことが藤森氏のデビュー作以来続いているコンセプト。
工業製品にはない自然素材による「視覚」と「触覚」を重視したいという思いが込められています。
しかし耐久性には難がある自然素材。それを解決する方法として躯体を鉄筋コンクリートで造るという手法を考えました。
構造体であるRCの上から服を着るように自然素材で覆う。見える部分は全て自然素材とする徹底ぶりは建築史家という建物を「見る」ことを職業としてきた藤森氏ならではの建築手法であると思われます。
続いて茶室その1~高過庵~
地上から約6mの2本のクリの木に乗せられた茶室。
途中の踊り場までハシゴを掛けないと登れない構造は茶室本来の
『非日常』の世界観そのもの。
また独特の形状のため「ゲゲゲの鬼太郎に登場する鬼太郎ハウスみたい!!」
といった意見や「宮崎駿監督のアニメに登場しそう!」といった感想が多数あります。
ただ藤森氏本人はあるインタビューで
「宮崎さんより漫画家の鳥山明さんの描く建物と共通する感覚がある。」
とおっしゃっています。
最後に茶室その2~空飛ぶ泥船~
2010年茅野市美術館で行われた藤森氏の展覧会で制作された茶室です。
昨年現在の場所に移設されました。
藤森氏と地元の人達による手作りの茶室で、タイトルの通り空飛ぶ船・・・・・
のどかな風景の中、不思議な茶室2つと史料館。
前回のブログにもあったように、この3つの建物をモチーフにした
『フォトコンテスト茅野』を開催しました。
参加された皆様、ふるってご応募ください!