一路 八王子へ
吉坂隆正設計の八王子セミナーハウス。
丘にセミナーハウスや宿泊施設などが配置されている。
およそ50年前の建築。
白い箱が宿泊用コテージですが老朽化のために今では半分以下に減っている。
土曜の午後にも関わらず説明のために職員の方が出勤して下さった。
セミナー室で建築に関する説明をいただいて見学開始。
コテージの内部は利用者夫々が工夫して改装している。
すっきりとまとめた部屋。
かと思うと
女の子らしい部屋。
ここで創作活動に打ち込めるとは羨ましい。
丘の起伏に会わせた配置で点在する建物群。
集会室。
ピラミッドか傾斜したような大屋根。
この後、セミナー棟を設計するにあたり
吉坂隆正とU研究室はそのカタチに悩んだ。
あるとき、このピラミッドの模型を逆さにして敷地に刺した。
昔読んだ本によると
「全員が これだ! と感じた。言葉を発しないままみんなが納得した瞬間だった。」
というような事であったらしい。
そのカタチが
人々を見つめる目を持つ建物。
この建物群の中に気になる物が(全部気になるけど)・・・
この右の樋と屋根。
どこかで見たぞ・・・
同じく吉坂隆正設計の生駒山宇宙科学館(1970)を思い出した!
この建物の後で箱根国際観光センターのコンペがあり、
そこに出された案が
このコンペは実現せず、応募案はすべて幻となったのですが
この建築が世に現れていたらと思うとゾクゾクします。
40〜50年前の日本の建築設計界は現在より遥か先まで行っていたのではないでしょうか?
新旧取り混ぜて2日で走り抜けた建築研修ですがこの後、
世田谷美術館を見て終了しました。
新旧の比較から先人達がいかに偉大な物を残してくれたのか
今の建築の薄さが彼らの建築に比べて際立って見えたのであれば
今後、どんな建築を目指すのかを東海・ビルドの各々が考えてくれたのであれば
この研修は成功したと言えるでしょう。
コルビジェ、前川国男、吉坂隆正といったデザインの系譜を
東海・ビルド 代表 大上、設計部長 私 の二人は今後の東海・ビルド建築の指針と位置付けています。