桜も散り始め、新緑がまぶしい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
こんばんは。設計部の井上です。
この時期、真新しいランドセルを背負った小学生やまだスーツ姿がぎこちない
新社会人などフレッシュで溢れています。
我が東海・ビルドも本日より長らくご愛顧頂いた緑営業所が
「アーキビルド設計工房」
として新しい第一歩を踏み出しました。
追々ブログ等でもご紹介していきますので皆様宜しくお願い致します。
さて先週の4月9日・10日と二日間にわたり「東京建物研修」に行ってきました。
この建物研修は東海・ビルドにおいてはすっかりお馴染みとなりましたが、目的は
良い建物を見て感性を磨くこと。そしてその感性を元により良い建物を造ることです。
今回のメンバーは当社代表の大上、設計部長の森、そして設計部から増田と私 井上の計4人がエントリー。二日間歩き倒してきました!(しばらく足の裏が痛い・・・)
名古屋を出発し、まず訪れたのは小金井市にある「江戸東京たてもの園」。
ここでは建築家、前川國男の自邸をはじめ江戸時代から昭和初期までの貴重な歴史的建造物が移築されています。
ここへは以前も違うメンバーが研修へ来ています。もはや東海・ビルドにとっての“聖地”
となりつつありますが、今回は園内の展示室にて
「憧れのモダン住宅 ~建築家 土浦亀城(つちうらかめき)・信子夫妻の提案~」
と題された展覧会を見学することが出来ました。
この「土浦亀城」とは昭和初期の建築家でフランク・ロイド・ライトの事務所にも勤務した事がある知る人ぞ知る人物。(ちなみに叔父は「横山大観」)
その作品の中でも最も有名な建物がこの「土浦邸」です。1935年(昭和10年)に建てられたこの住宅は現在でも品川区内にあり、東京都の指定有形文化財になっています。
1/5サイズの模型でも見応え十分で、80年前とは思えない洗練されたスキップフロアの住宅にしばし感動!!
風遊館シリーズの構想を練る際に設計部長から「スキップフロアのバイブルだ!」と土浦邸の資料を渡されたことを思い出しつつ、模型や図面の展示物に後ろ髪をひかれつつ、次なる目的地へ。
電車に揺られること数十分、池袋駅より徒歩にてたどり着いた
「自由学園 明日館」
先ほどの土浦亀城の師でもあり、世界的に有名なフランク・ロイド・ライト設計。
このライト建築が見られるのは国内では帝国ホテルを除くとわずか3棟・・・
貴重な貴重な時間を体験しました。
まさにライト建築を凝縮したこの建物。
壁面に配置された有機的なラインが単純な壁面に変化をもたらす。
正面のファサードを構成する幾何学模様の建具。単なる窓を超えた“デザイン”が空間に
アクセントを加えています。
食堂にある装飾性の高い照明。当初は電球を天井から直接吊るす計画だったそうです。
しかし現場で天井が高すぎると感じたライトはその日のうちにこの吊子をデザインしたと
言われています。
建物の外構フェンスにもライトのエッセンスがたっぷり!幾何学模様が美しい・・・
最後に再び外観。
今回のベストショット!!
ライトの設計コンセプトは有機的な建築。
軒を低く抑え、水平線を強調したデザインや有機的な装飾美。
こういった自然への崇拝の念が根底にあるからこそ、この美しい外観、プロポーションが
成り立っていることを存分に感じることが出来る“名建築”でした。
・・・続く。(次回の「2014建物研修in東京」は設計部 増田です。乞うご期待!!)