デニス、ケイトが購入を決めた家はタウンハウス。
オランダでも滅多にない造りだということで
見にいく。
今は売主が住んでるので内部は見れませんが
とりあえず
行っちゃう。
行ってみると
ピロティで浮いている部屋の下が通路。
歩車道完全分離でこのエリアに車は入れず、
反対側にガレージ専用通路が用意されている。
空中部分の中心から左右に別宅となってるらしい。
窓の位置が軒のすぐ下まで開けられているあたりが興味をそそる。
雪道に轍があるので引越しなどの場合は車も入るようだ。
塊としての建築のバランスと先ほどと同じ開口の取り方が絶妙。
どこまでどこの家なのか今一歩わからない複雑な構成。
こういうのは
大好きだ!
あっさりしてるけど、雰囲気のある玄関。
各戸でメンテナンスのために塗り直していて個性がでている。
1ヶ月後に引っ越すそうで、これから引越しの準備で大変だとケイトさん。
次はこのうちに泊まってねと言われ、ぜったい来てやると答える。
一度、デニス家に戻り早めの夕食。
その前に
「ホームセンター行きたい。」
とつぶやくと
ホームセンターの駐車場にいた。
20年前にイギリスのホームセンターで驚いた記憶がある。
建材、設備機器のほとんどが置いてあり、セルフビルド文化を感じた。
ここもやはり同じ。
両側、ずっと向こうまで「蛇口」。
Lixil名古屋ショールームの数十倍の種類がある。
感心したのは次。
数100種類以上の色見本から色を選んで
欲しい量をカウンターに申告する塗料売り場。
この女性が画面を数回タッチすると缶に塗料がその量だけ注ぎ込まれる。
数分で手にすることができる。
シャワーブースも日本の設備メーカー並みのショールーム的展示がされている。
ドア、床材、屋根材などなど 日本の巨大ホームセンターよりはるかに専門的な
品揃え。
納得して、帰宅。
お土産の半纏や和食器を渡して夕食。
食後、車で1時間ほどのほとんどベルギーという位置にある駅まで送ってもらい
今夜中にブリュッセルの友人宅に転がり込むハードスケジュール。
こんな街に着いて
歩き出したいが時間がない。
なんだか雰囲気のある駅舎。
ヨーロッパらしく、到着アナウンスも出発ベルもない。
また
別れの時。
涙ぐむケイトさんに気付かぬふりで明るく別れる。
オランダにいるあいだ中、わがまま放題であった私をどうか許してください。
「またね」
〜我が物と思えば軽し笠の雪 オランダ編〜
完
次回からはいよいよ最終章。
〜時空を超えて〜 ベルギー編