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2016-03-28

高山プロジェクト 報告書 16

挟土組 殿垣さんと東海・ビルドの一騎打ち
顛末記。
事の始まりは 去年秋の建築見学ツアー。
近江でヴォーリーズ建築を見に皆さんと1日過ごした日。
そのための下見に出かけた中での一コマ。
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藤森照信氏設計の「ラ コリーナ」。
に至る写真下の小道。
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に着目。
代表大上がこの土間仕上げをいたく気に入り、
同行した東海・ビルド 工務部長 奥村が見本を作って
高山に持っていく事になった。
当然、このままでは芸がない。
大上より
「切り株を木の節に見立てて、全体の模様を年輪に見立てた土間を作りたい。」
言うは易し、行うは難し。
奥村の挑戦が始まった。
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切り株を木箱にセットして色モルタルを練って周囲に詰めていく。
色モルタルの色は本当の土で出すという凝りよう。
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これに藁やススキの茎を切って乾燥させたものを貼り付けて、
乾燥後、これを撤去する。
という凝りよう。
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さらにここに藁箒で箒目をつける。
という凝りよう。
そして凝りまくった奥村の肩が作り上げた作品がこちら。
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ある日、90センチ四方、重量数十キロというこの試作品を工事部のワンボックスカーに積み込んで
工程会議会場に運んだ。
そして
鼻息荒く
お披露目!!
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どうよ!みなさん。
こういった土間が作りたいのだ。
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挟土組 殿垣氏
反応は
「ふーーーん。」
手応えのなさに脱力。
「大丈夫か?」
「わかってくれてるのか?」
もう、こちらは工程会議も上の空。
ちゃんとやりましたけどね・・・
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翌週
現場に行くと殿垣氏が
「ちょっとこないだのやつ 作ってみたけど 見る?」
当然見るわさ。
すると
殿垣氏
車から3枚の塗り見本を無造作に下ろして
「これだけどさー、こんな事でしょ?」
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「木の切り株は斜めにカットしないと節には見えない。」
「モルタルなんかではだめで、こっちでは頑固マサという材料を使う。」
etc……….
無口のひとだと思ってたのだが
機関銃のような左官の世界トークが始まった。
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勝負は一瞬でついた。
余計なものを作ってすみませんでした 的な雰囲気をまといつつ
東海・ビルドは
完敗。
帰りの車中は
高山の匠の技の片鱗を見た事で
妙にハイテンションで名古屋に着いた。
思えば 奥村が試作品に手をつける前に
「高山の職人ならこれ見ても鼻で笑うんじゃないかー?」
と言っていた。
その通りでした。
次回は
殿垣氏の現場での仕事を紹介します。

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