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2016-09-21

新 高山サマーセミナー(続)

9/11 新 高山サマーセミナーのプログラムにあった、伊藤豊雄さんの講演会に行って来ました。
(建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞受賞の建築家です)
なぜか花見の話から始まりました。桜の木がある。少し離れて又、桜の木がある。そしてもう一本桜の木がある。三本の木に囲まれたそこに廻りと違った空気と人の流れが発生する。決して建物の中ではなく、公園の中のような、内と外をはっきりと分けない曖昧な人の集まる空間ができる。そんな建築を目指している、と。
日本家屋特有の住宅要素である濡縁や縁側という内と外を繋ぐ曖昧な場所。ちなみに弊社、惣四郎の計画もそこから始まっています。

次に昆虫の羽化のスライドが・・・。何?
この羽化して成虫になるまでのどろっとした状態のままの、まゆのように柔らかく、形になる前の建築を建てたいのです、と。
難しすぎます・・・。
形になってしまう前の状態が一番表現したいもの?
・・・大事なものは『考え方』なんだ!!と勝手に解釈してしまいました。
そして分かり易く、見たことのある建築のスライドに。
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●諏訪湖博物館・赤彦記念館(伊藤豊雄氏設計)
これは私が社会人になって、会社で建物を見学に行った最初の見学地。当時の構造技術で、懸命にやりきった形だったと別の資料で読んだ記憶があります。他にも
●アンフォルメル中川村美術館(毛綱毅曠氏設計)
●神長官守矢史料館(藤森照信氏設計)好きな建築10選に入れたい建物です。
●飯田市美術博物館(原広司氏設計)
●信州高遠美術館(宮本忠長氏設計)を当時、見学してきました。

さてスライドは、せんだいメディアテークへ、こちらは東北の震災後、救援物資を運んだ会社の一部の者が、地震に耐えたこの建物の視察に行っています。
柱、階高の不均一さでさまざまな流れ(動き)を作っており、桜の木の作る流れとはまた違った流れを生み出しています。

次に、コンペで決定してからオープンまで10年以上掛かったという台中メトロポリタン・オペラハウス
(村松ブログをご覧になってください)

最後は、東濃ひのきを使った(地産としか説明してくれませんでしたが・・私の故郷の産物です)
IMGP7411
みんなの森ぎふメディアコスモス(通称:メディコスだとか)は建物の中に傘を作り、大きな建物の中に小さな建物が集まっている。そのことに依り、同じ建物内で違った流れ(動き)を作り出します。川に例えると、傘の下は『渕』(ゆったりとした流れ)、その他は『瀬』(早い流れ)といったところでしょうか。小学4年生の女の子が、唯一建物内に自然の空気の対流がない『本の蔵』が居心地が悪いと感じたそうです。子供の感覚ってすごいですね!
工事部安江が書きました。

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