やっと来た。
30年前くらいにA&Uという建築雑誌で見て
ずっと見たいと思っていた建築。
坂の向こう、樹々の横から
顔を覗かせている。
御構い無しにずんずん進む妻の後ろ姿を見ながら
「やっと来たぞ」
三位一体教会
1976年竣工。
43年前の建築。
ウィーン郊外、閑静な住宅地の
はずれの丘の上に建つカトリック教会。
有機的に積み上げられた152のコンクリートの塊と
その隙間を埋めるガラスで構成される。
1階は礼拝堂のみで他施設は地下に配置されている。
その独特の形状はウィーン出身の彫刻家
フリッツ・ヴォトルーバ (Fritz Wotruba)の模型をもとに設計された。
ヴォトルーバ存命中に教会は完成せず、
その後その仕事は共作者の建築家のフリッツ・G・マイヤーに引き継がれた。
建築をデザインする際、
特に鉄筋コンクリートは
彫刻のように造形することが
私は
多い。
この建築は彫刻家がデザインした。
ひたすら感動する私
礼拝に来ている人たちと
騒がしく話し
全てをぶち壊す
妻。
気にせず、
リンツで買ったスケッチブックに
スケッチ。
こんなエントランスから入場。
152個のコンクリート塊の狭間の開口部から
降り注ぐ光。
もっと暴れたごちゃごちゃ感が
あって当然なのに
奇妙に静謐な空間が広がる。
全体の構成や構造を理解することは
短時間では不可能。
こんなコンクリート打ち放しの建築は
見たことがない。
唯一無二
という言葉はそう簡単に
使ってはいけない。
地下の集会室ではミサ後のパーティー中。
地元にすっかり馴染んだ教会。
外ではパラソルが用意され
屋外パーティーの準備中。
コンクリートブロックの積み木のくせに
見る方向で表情が
全く変わる。
結構時間を費やしてしまったけど
今回の旅の目的が果たせた気がする。
バス停に向かう。
次は・・・