予告通り
東京建築案内の再開です。
設計部 森の担当シリーズ、
今回は目黒をスタート。
目黒といえば雅叙園ですが
これはまたの機会に置いておいて、
まずは
山手線目黒駅すぐの
聖アンセルモ目黒教会。A.レーモンドの設計。
戦後すぐの1955年竣工。
冬はこんな感じで通りからよく見えるのですが
樹が茂るとまったく隠れてしまう。
この外観からはよくわからないと思いますが
内部に入ると構造が
そのままデザインになっている
ことがよく分かる。
私的に最も好きなタイプの建築。
壁と天井に注目。
斜め壁を並べてその隙間を採光スリットに使う。
この壁が天井につながって局面梁に変わって
天井を支える。梁の襞が陰影を生む。
今回3度目の訪問ですが季節や
訪れる時間が違うと
内部の光と影がまったく違う空間を
提供してくれる。
1日居ても飽きない空間。
ずっといたい気持ちを引きずって
重い腰を上げて
西に少し歩くと
改修も終わって再開した
東京都庭園美術館。
旧朝香宮邸といいます。
朝香宮家は久邇宮朝彦親王の第8王子鳩彦王が
1906年[明治39]に創立した宮家。
鳩彦王は、陸軍大学校勤務中の1922年[大正11]から
軍事研究のためフランスに留学。
看病のため渡欧した允子内親王とともに、
1925年[大正14]まで長期滞在することとなった。
当時フランスは、アール・デコの全盛期。
その様式美に魅せられた朝香宮ご夫妻は、
自邸の建設にあたり、
フランス人芸術家アンリ・ラパンに
主要な部屋の設計を依頼するなど、
アール・デコの精華を積極的に取り入れた。
こうして出来上がった
日本トップクラスのアール・デコ建築。
写真撮影は基本禁止なので
フリー素材から
この窓のエッチングガラス
マックス・アングラン作
かつて大食堂として使われていた部屋
展示会によっては撮影OKになることもあるらしい。
微に入り細に入り楽しめる
おすすめの美術館。
疲れたら庭園で休憩するか
新館のカフェに陣取る。
ここも新しく久米設計によるレストランが完成。
いかにも設計部 森が好きそうな
屋根ですが
こんな空間が広がっている。
東京ってとこは少し歩くと
どんどんいい建築に会える街。
もう少し西に歩くと
あの住宅がある。