鎌倉時代、
幕府に一大事が起きると、
諸国の武士たちは鎌倉へ招集された。
武士は「いざ鎌倉」と
馳せ参じなくてはならなかった。
現代、
名建築に一大事が起きると、
諸国の建築オタク達はその場所に勝手に向かった。
今回 建築オタク達は「いざ鎌倉」と
馳せ参じなくてはいられなかった。
なぜなら
2014年9月11日。
鎌倉近代美術館が閉鎖される直前。
東海・ビルド設計部選抜隊は鎌倉を訪れた。
鎌倉近代美術館
1951年(昭和26年)11月17日
神奈川県鎌倉市雪ノ下・鶴岡八幡宮境内に開館。
日本最古の公立近代美術館。
設計者:坂倉準三建築研究所
日本のモダニズムの代表作の一つ。
2014年の時点では
解体の危機にあった。
そして
4年半の月日が流れ。
この建築は
2016年に神奈川県から鶴岡八幡宮に
無償譲渡され、所有者である鶴岡八幡宮によって、
鎌倉の魅力や日本の文化、伝統などを発信する
「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」として
生まれ変わった。
こんな雑踏の裏参道を迂回して
「いざ鎌倉」
なぜかというと
この数日間だけ
美術品が入る前の状態で
改修に関する展示が行われた。
水面に浮かぶこの建築をまた見ることができた。
勇んで馳せ参じる。
以前は入り口が反対側だったのですが
改修で移動されている。
綺麗に作られた受付から中庭へ
今回の改修は
「原型に戻す」ことがテーマであった。
色彩も竣工当時の色に塗り替えられた。
大谷石の壁には耐震ブレースが
組み込まれた。
展示内容は改修の記録。
美術品が入るとこんな風には
見て歩けないのだろうなと
はいつくばるように
見て歩く。
美術館としてのオープンはもう少し先のようです。
でも
いつでも見に行けるように
なった。
消えてゆく上小沢邸。
新たに生まれた瑞聖寺庫裡(ずいしょうじくり)。
蘇った鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム。
次はどこへ行こうか。