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2019-07-12

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上海建築視察 Vol.6

ニーハオ!上海研修のリレーブログ第六走者の設計部、井上です。
今回私が紹介する建物は、

「上海征大ヒマラヤ芸術センター」

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シアター、美術館、ショッピングモール・ホテルなどが入る
複合施設。

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有機的なコンクリートのヴォリュームと漢字をモチーフにした
外装が特徴的。 とても大胆な空間構成が圧巻!

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独特な形状のコンクリート部分は磯崎氏とパートナーを組む建築構造家、佐々木睦朗氏による「フラックス・ストラクチャー」という流動体構造。
磯崎氏が名付け親だそうで、一見すると非成形で無理をした構造に見えますが木の枝のように自然な形状で力学的にも無駄なく力を
分散する形状との事です。

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内部に入っても変わることないこの迫力。

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有機的な形状のフォルムで、この大空間は日本ではなかなか体感出来ない。
ウロウロとさまよっていると、奥の方に人だかりが・・・

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世界的にも有名なアニメ、ワン●―スのイベントが
開催されていました。

続いての紹介は、

「凌空(りんこう)SOHO」

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前回のブログ(上海研修 Vol.5)にも登場 こちらをクリック!

開発区「上海虹橋臨空経済園区」内の大型複合ビル。
建築面積は35万㎡。
4棟の流線形のヴォリュームを数本の連絡通路がつなぐ奇抜な外観が特徴。

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北京研修でも体感したザハ建築。

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内部も流線形の美しい空間構成で直線部分はほとんど無い。
まさにザ・ザハサマ!

そんなザハ氏は「脱構築主義」を代表する建築家でもありました。

近年、建築技術の進歩により3次元CADを用いたデザインやパラメトリックモデリングの手法により、従来にない曲線的なデザインが実現出来るようになりましたが、少し前まではこういった建築は現実的に難しかった。
そのためザハ氏をはじめとする脱構築主義と呼ばれる建築家はアイデアやスケッチ、コンペ案止まりで実際に建築される機会に恵まれませんでした。

そんな脱構築主義建築が生まれた背景ですが、
1920年ごろに生まれた(東海・ビルドの大好物)
「①モダニズム建築
(機能的、合理的な造形理念に基づく建築で19世紀以前の様式建築(歴史的な意匠)を否定し、工業生産による材料(鉄・コンクリート、ガラス)を用いて、それらの材料に特有の構造、表現をもつ建築のこと)代表作は、

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(注意!上の写真は上海ではありません!)

設計部、増田の大好物、ミースの「バルセロナ・パビリオン」や

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(注意!上の写真は上海ではありません!)

設計部長の森の大好物(私も大好きな)、コルビジェ作
「サヴォア邸」などがあります。

このモダニズム建築に対して1980年代ごろに生まれたのが

「②ポストモダン建築
(モダニズム建築への批判から提唱された建築のスタイル。合理的で機能主義的となった近代モダニズム建築に対し、その反動として現れた装飾性、折衷性、過剰性などの回復を目指した建築のこと)

有名な建築としては、

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注意!上の写真は上海ではありません!)

「つくばセンタービル」
設計は上海征大ヒマラヤ芸術センターと同じ磯崎新氏。

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注意!上の写真は上海ではありません!)

隈研吾氏による「M2ビル」などがあります。
シンプルかつ機能性ばかりを重視してきたモダニズムが溢れすぎた世の中に対する一種の警鐘だったのでしょうね。
デザイン性よりモダニズムを否定する事を重視した建築様式として今でも語り継がれています。

そんなポストモダンが進化したのが、ようやく登場
(お待たせしました)

「③脱構築主義建築

(伝統的な建築様式ともモダニズム建築の箱型とも違う、アンバランスで予測不可能かつ刺激的なもので、ひねられたりずらされたり傾けられたりと、コントロールされた混沌とでもいうべき様相を呈する建築のこと)

1980年代後半以降、2000年代に至るまで世界の建築界を席巻している。
ザハ建築以外の代表的な作品としては、

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(注意!上の写真は上海ではありません!)
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(注意!上の写真は上海ではありません!)

北京研修で見たレム・コールハース作「中国中央電視台本部ビル」や

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(注意!上の写真は上海ではありません!)

フランク・ゲーリーの「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」
などがあります。

好みはそれぞれあると思いますが、総じて「脱構築主義建築」と呼ばれる建築家に共通する事は、
「今まで世の中に無いものを生み出したい!」という建築に対する純粋な熱い思い。

そんなパワフルで独創性に富んだ建築の宝庫、上海。
建築において一番大切なものを改めて感じる事が出来ました。

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注意!上の写真は上海ではありません!)

これが実現していたら・・・と思う今日この頃です。

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