今回の改修工事は
部屋の配置から提案をさせていただける工事。
一般的なリビング、ダイニングを配置して
といった考え方もありますが
H邸で目論んだのは
「田の字の応用」。
日本古来の民家には
「田の字プラン」という型があります。
写真の「ダイドコ、デイ、ナンド、オクノマ」が
田の字に配置されています。
そして、各室には格式が設定されています。
日常生活を表す ケ(褻)。
儀礼や祭、年中行事などの
「非日常」をハレ(晴れ、霽れ)。
生活を区別してケの折には各室を仕切って
部屋の役目をもたせて、
ハレの際には仕切りを取っ払って
一室の大空間として使用してました。
H邸では右の玄関を持つ母屋が田の字です。
改修部分は田の字ではないのですが
上記の考え方を「日常生活」の中で
可変空間が使えるように置き換えて考えました。
季節ごと、集まる人数ごとに
空間を足したり引いたりといった操作です。
大まかにこの4パターンです。
さらに重要なのは
「格式」。
事前調査で天井裏を覗くと
こんな光景を目にしました。
天井勾配を利用して
この素敵な梁や木組みを見て生活する。
さらに
日常の中で空間の容積の変化を
古来の格式ではなく今風の格式として
表現しよう。
と
この天井裏を覗いた瞬間に
アイデアが「降りて」きました。
すぐ作成したCGパースが
今回は格式を天井高さと
天井の形状で表した。
実は通路である真ん中の通り廊下の
天井高が最高でキッチン・リビングに取り込まれる
場合もここが最高位の空間としている。
こうして設計が確定して
現場が動きだす。