先日、菊水化学工業が主催するセミナー「コンクリート構造物の長期延命」を聴講しました。
東海・ビルドはデザイン面でも構造面でもコンクリート打放しを特徴とするイメージが強いのですが
完成後、そのコンクリートを長期にわたって外観はもちろん、内部の性能も良い状態に保たなければなりません。
「内部の性能」というとわかりにくいですが
一言で言うと
中性化。
大気中の二酸化炭素がコンクリート内に侵入し、アルカリ性のコンクリートを中性化してしまう現象。
コンクリートをはつり取って、フェノールフタレインを塗ると・・
中性化した部分は着色されない。上の写真では中性化深度は約5センチ。
この深度が進み、鉄筋に到達すると
鉄筋が腐食して膨張、コンクリートを内部から破壊する。
メカニズムは
年数が経ったコンクリートはこういった検査をして対策を打つ。
この日の講演は共同設計・五月社一級建築士事務所主宰の三木哲氏。
コンクリートの劣化要因を解説した上で、物件調査による仕上技術の効果について述べた。
「コンクリート表面のモルタル層はかなり中性化を抑制する効果がある。
中には前回調査より中性化深度が浅くなっているものもあり、
アルカリを付与できる無機系ポリマーセメントを定期的に塗り替えることで躯体の耐久性は無限に伸びる可能性がある。」
という趣旨。
無機系ポリマーセメントによって劣化を止めるだけでなく、中性化がアルカリ化に転じたケースもあるとのこと。
こうなればコンクリートの寿命は飛躍的に伸びる。
講演終了後、菊水化学の幹部の方とお話させていただいて、ポリマーセメントによるコンクリート再生を
東海・ビルドで施工するために詳しく相談してきました。
今後、東海・ビルドではコンクリートの性能を上げるリノベーションが可能になります。
次回は現在進行中の築40年のコンクリート建築で
外科クリニックのリノベーション[耐震補強もしている]状況を報告します。