建築の設計というと
ラフスケッチから空間イメージを膨らませて
模型やCG、手書きパースで確認して
といったことから始めると思われることが多いのですが、
そこに至るまでの事前準備が大変重要です。
9月は防災週間もあり、防災意識が高まる月ですが
実は設計の事前準備の一部が防災なのです。
以前は図書館や関係省庁を走り回って集めていた情報が
当時より簡単に、精度の高い情報を得ることができます。
国土交通省のホームページでは
こういった
「重ねるハザードマップ」を公開しています。
この地図は名古屋市の洪水予測。
縮尺も変えることができるので
みなさん、ご自宅近辺の予測を見てみるのも防災です。
津波予測を見てみると
これらを重ねてみる
驚くのは
南の熱田神宮は元々、七里の渡し以南が海であったことで理解できるのですが
北の名古屋城。
ここから北が被災予測エリア。
実は地盤調査をする時も
「名古屋地盤図」というものを参考にするのですが
名古屋城の地盤は大変良い。
名古屋城の位置は色々な面から見て
防災上大変良い場所なのです。
ここに築城すると
どのようにして決めたのでしょう?
閑話休題。
設計する場所によりチェック内容が異なるのは当然です。
瀬戸市の丘陵地の場合は
土砂災害マップ。
海岸沿いは
津波災害マップ。
これにより、建物の地盤面を現状より上げることを提案して
設計しています。
もう一つ、使えるアイテムが
国土地理院の地図と航空写真。
航空写真ではタイムトラベルが可能で
先ほどの地域は1990年が
こんな様子。
現在が
こんな様子。
家々が確実に減少しているのがわかります。
ちなみに
当社近辺は
1950年頃ですが黒い➕マークの右に少し寄ったあたりが
東海・ビルド。
1990年は
まだこんな感じ。
出来町通りから北は何もなく
学校だけ存在します。
これが現在。
たった30年でこうなった・・・
建物を建てるにあたり、
微地形、微気候を気にするのですが
今では簡単に土地の変革を見ることができます。
この画像に地図を重ねることもできます。
この作業も設計の大切な準備なのです。
設計部 森でした。