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2022-08-15

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狐の郵便屋さん INARI.設計メモ4—-インターンシップ

先日、高校生3人のインターンシップを受け入れ、
3日間にわたって「普通科の高校生が建築設計を体験する」
という難題に挑みました。
3人からのリクエストは
-どのようにして施主の夢を実現してゆくのかを知りたい-
とのこと。

これを受けて組み立てたコンセプトはというと
夢の実現は自分だけではできない。
東海・ビルドだけでもできない。
これからの皆さんは建築界の中で活動するのではなく、
それ以外の「界」をまたいで
例えば医学会・芸能界・芸術界等々に
たくさん窓口を作っていかねばならない。
こうして得た情報や人脈を駆使して高度な夢を実現する方法を体験する。

メニュー構成は
1日目:東海・ビルドの紹介を通じて建築設計の内容を知る。
   ・「界」をまたぐことの説明。
   ・重要なことは
    得た情報や人脈を駆使して夢を実現するのは建築界に居る
    東海・ビルドである。そのためにはこれを担当する
    設計者個人が情報や人脈に振り回されて終わらないように
    自身の軸となる基本理論をしっかり明確にすること。
   ・こうした個人の理論と東海・ビルドのコンセプトが
    施主の考えと一致して初めて施主と一緒に
    夢を実現できる。
 といったことを講義。
2日目:具体的にどのようにこれを実行しているかを説明
   狐の郵便屋さんINARI他を例に私(森)の軸とする理論
   ”古美る”と”不連続統一体”が設計内容に
   どのように生きているか。
   この理論が最終的に施主と創り出した世界観を
   どう決定したか。
3日目:各高校生自身の軸とする理論を仮定して
   他の「界」から得た情報を仮定する。
   これを使って自分の夢とする自邸を設計してみよう。
といった内容。
今、こうして思い返すと暴挙以外何物でもない・・・

普通科の女子2名と男子1名はそれでも毎日とても熱心に
参加してくれて結構鋭い質問を受けて
こちらが考え込んでしまうこともありました。
古美るという考え方はSDGsに繋がること、
不連続統一体理論はジェンダー問題等につながり
差別を否定していることなど
彼、彼女らからは面白い意見が聞けました。
不連続統一体は50年以上前に吉阪隆正という建築家が
提唱した理論ですがやっと今、
時代がこの理論に追いついたようで
今年は東京都現代美術館で大々的に
現代美術館というところがポイントです!)
吉阪隆正展が開催されて
建築界以外の「界」からこそこの理論が注目されています。
私も6月、閉会ギリギリに駆け込んだのですが
予約制人数制限の中、
20代30代の建築設計者と思しき男女のみならず
会話の内容からIT関係の人、メディア関係の人と推定される人々が
熱心に見ていました。
これからの世代の関心の高さになんだか安心しました。

狐の郵便屋さんINARIの世界観構築過程が
インターンシップ参加者の3人には
どのように響いたのでしょうか。

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