昨年秋にプライベート旅行で九州、大分を巡りました。
大分県というと湯布院、別府をイメージしますよね。
旅のメインは大分県竹田市にある長湯温泉郷の「ラムネ温泉館」です。
大分市街から山間部へ向かって走り、時々車がすれ違うのがやっとの山道を行く事約1時間、山深い集落に目的地が見えてきます。
この建物の設計者はなんとなく想像できませんか。
体にお湯が触れるとシュワシュワと泡が弾ける珍しい温泉を、不思議な建物を想像する藤森照信氏が手掛けました。外壁には腐食を防ぐ目的もある焼杉を、湯気が抜ける塔のてっぺんにはシンボリックな松の木がちょこんと植えられています。
内部には当時同氏が描いた図面が掲示されています。
本当に絵本の世界。このロケーション、この施設に設計が溶け込んでいるように思いました。
同氏の設計作品は当社の建築見学ツアー(2010年から2020年まで計18回実施)で何度か訪れています。
秋野不矩美術館
ねむの木こども美術館
神長官守矢資料館
茶室「高過庵」
ラコリーヌ
以前、雑誌BRUTUSの同氏の特集で「幼馴染みと一緒に、工作の延長のように作る」という記事を見ました。ご自身の曲げる事がない信念というか執念を感じます。
ちなみに旅の最後に訪れた大宰府天満宮近くの某コーヒーショップ。誰のデザインかだいたい予想がつきます。
作品を見て、おおよその人が、これは藤森先生だとか、隈先生だ、とか認知されることは建築家にとって最高の褒め言葉ですよね。
当社の建物を見る人が今以上に「ビルドっぽい」といってもらえるように。
藤森先生と誕生日が一緒の営業松岡でした。