ヒトはなぜ歌うのか?
先月放送されたNHKの番組です。
全く詳しくないのですが、アフリカの民族音楽やインドカレー店のBGMで使われそうな音楽が大好きな私は、直感的にアフリカの民族音楽をイメージしました。
ダーウィンは『音楽は生きるために直接役に立たない』と言っていたようですが・・・・果たして。
贅沢品であり、文化的であり、本質ではないおまけのものと思われるかも知れません。しかし近年、認知症で言葉を失っても、音楽は残るという事が分かってきました。とすると、ヒトにとって音楽は言葉よりも大切なものかも知れません。リズムやビートは脳の予測機能を働かせ、快感を得ているようです。
新生児に協力(?)してもらいビート予測の実験が行われました。そして短いリズムの一部を抜き差しすると、脳がそれに反応するのです。ヒトは生まれながらにその能力を持っていることが分かってきました。
番組ではカメルーンの『ンビンベ』という土地に向かい、10万年前~20万年前の人類に近いDNAを持つと考えられている『バカ族』を訪ねます。ある研究者は、ここで歌われている歌が最もビートを感じるそうです。『バ』は人、『カ』は葉っぱ。つまり森の民という現地の住民です。音楽が言葉より重要な文化で、洗濯をするときも、木に登るときも、狩りに出かけるときも歌います。一日中歌っています。
興味深かったのは、この歌、誰がどこを担当しているのかわからないまま、みんなで歌って、それが合わさり、ひとつの歌になっているのです。その極意!!
① 周りの歌をよく聴く。
② 全体の中で、他の人がやっていない事をやる。
7人の歌を録音し、解析すると、大きく3パートに分かれており、メロディー・リズムは異なっていました。これ『ポリリズム』
(異なる複数のリズムが合わさり複雑な魅力的な音楽になること)
更に、誰かがリズムの一部を抜くと、他のメロディーで埋めるという呼応のような事が行われていました。
社会生活や、仕事にも重ねる事ができますね。建築企画室、工事、品質管理、総務・経理、設計、積算と全て異なるリズムで動いていると思います。しかしその一見まちまちなリズムが、今より更に良いポリリズムを形成できたらと思います。
他人の事を考えると反応する内側前頭前野、他の動物よりヒトが優れている部分です。認知症を患っている方に音楽を聞かせ続けるとそこが改善されるという。
ヒトはなぜ歌うのか?
『他人の事を考える』『集団の絆』かも知れません。
アフリカの民族音楽を聴くとなんか懐か・・・って事はありませんが、20万年前のDNAがあるのではないかと感じる安江が書きました。