歳が改まった冬の日。
代表 大上・設計課長 深見・私 森 の3名は朝早くから東京駅にいました。
その日のメニューは「江戸東京たてもの園」と渋谷の松濤美術館、代官山エリア、そして東京駅。
新生「風夏」のイメージを模索中の三人。今一歩共通イメージが固まらない。
そこで「江戸東京たてもの園」の前川国男邸などを観つつ、何かを掴もうと・・・
大雪で交通が麻痺した3日後、まだ雪が残る東京を歩いたのでした。
まずは目的地、前川国男自邸。
言わずと知れた日本の近代建築を牽引した巨匠建築家、前川国男。
コルビジェのもとで建築を学び、日本でその花を咲かせた。
この自邸はコルビジェの寸法体系、モデュロールの香りがする・・・
一時期こんな表を製図板の横に貼って設計していた私はこの辺りは妙に敏感なのです。
さて、建物紹介。
バランスのとれたファサード。寸法体系がしっかりしてるのでバランスが美しい。
破風板をほぞと栓で止める。その大きさも絶妙。現在では釘止めがほとんどですがこの方法は使える!
上から瓦、野地板、破風板とそのバランスも美しい上に破風板のボリュームを消すために溝が掘ってあるあたり・・・
迎賓館設計にそのまま持って行けそう。
足元を観ると、基礎の上に平板状の物がのり、土台を支える。床下通気を確保してる。
土台のコーナーも組み物風に加工されてしっかり噛み合っている上にデザインとなっている。
こういった機能、強度と一体化したデザインが東海・ビルド設計部の目指すところ。
格好だけのデザインはもういらない。
前川国男自邸はこのポイントを押さえて見て行くとそのすごさが分かる。
内部、居間。大きなスケールが不思議と気にならない。写真だと相当ごつい格子に見えますが
実際、体験すると下の障子の格子と上の格子の対比が全く気にならない。
真ん中の丸柱は当時の電柱を使用している。
そのデティールは
障子の上枠、鴨居、貫、といった機能を一本の横架材に集約。丸柱との取り合いは
一分の隙もないとはこの事。
なんなんだこの建物は・・・
続く。