前川国男邸の続きから・・・
その南向き大開口の後ろにはこんなロフトがある。
ロフトに上がる階段に柵がしてある が
当然、上がりたい。
私以外の大上・深見は押しの強さで人生を渡る民。
当然、交渉。
それまでに建物をさんざん褒めておいた効果もあり係の方に
上げてもらった・・・
ロフトからの眺め。
階段を上がりきった手摺りは
同じくコルビジェ門下生であったもう一人の巨匠 吉坂隆正を彷彿とさせる。
1階に戻り、居間に入るドア。
さらに書斎。
ここで前川国男は設計事務所を開設していた。
クロゼットには
引き出しの向こうは洗面所が隠れている。意表をつく配置。
キッチンもレトロと言えばレトロだが、機能が集約されている。
浴室は3点セット。
壁・床のタイルが今流行のモノトーン。流行デザインは繰り返す。
ここの天井が渋い・・・
他にも建具の工夫など、ネタ満載のこの住宅。
実は私が感心を惹かれたのがなんて事無いドア枠。
途中から斜めに削り取ってある。建築用語でテーパーを取ってる。
ちょっとした事ですがこの効果が建物全体に効いている。
「和」の建築に「洋」を持ち込む時、風土は「和」の環境下で生活を「洋」にする事になる。
こうして出来た「洋」は一流建築家の手に掛かると
折衷様式とひと言で言い表せない「遊び心」を持つ「和」に進化する。
以上が江戸東京たてもの園で得た収穫。
これが更に進化して「夏風」(ふうか)を進化させるメインコンセプトになるとは
このときには全く気づかない3人でした。
次回は江戸東京たてもの園の他の建物。
濃いです・・・